ラビンドラナート・タゴール
(詩集『迷い鳥たち』内山真理子訳、77頁)
タゴール(1861-1941)はノーベル文学賞(1913年)を受賞したインド・ベンガル地方の詩人。とはいえ、引用した言葉は詩というよりも、端的に言い表された現実認識に聞こえる。「人びと」は残酷で「人」は優しいという実感は世界共通のようだ。しかし、なぜそんなことになるのだろうとあらためて考えると、一つ思い当たることがある。
ある戦争のドキュメンタリー番組(タイトルは忘れてしまった)で、元従軍兵士が戦場を回想して言ったことだ。敵と出くわして、目が合うと殺せなくなるのだと。目が合うと何が起こるのだろう。たぶん、一人の「人」に出合うのだ。それで互いに「人間」になる…