橘宗吾さん(名古屋大学出版会の編集者)
(朝日新聞2016年10月16日「著者に会いたい」より)
橘宗吾(たちばな そうご)さんは、名古屋大学出版会の編集者(上記記事当時)。ただし上掲の言葉は、『学術書の編集者』(慶應義塾大学出版会)という本の著者として、橘さんが取材を受けたときのもの。
上に掲げたのは、当サイトを構想したとき、念頭にあった言葉でもある。それで当サイトは当初、「一日一言 点を結ぶ」というサイト名にし、毎日1投稿をノルマにしていた。サイトの趣旨は今と変わらない(当サイトについて)。
ある時(2025年7月下旬)ふと思いついて、「一日一言 点を結ぶ」という言葉をグーグルで検索してみた。サイトを初めて間もなくの頃で、検索結果として上がってくるかどうか興味が湧いたのだ(実際はそう簡単に目にふれる結果にならないのかもしれない)。
すると、驚くものを目にした。検索結果の一番上に、AIの回答で、「一日一言 点を結ぶ」はスティーブ・ジョブズ氏の名言「Connect the dots」から「派生した言葉」で、「日々の出来事や経験から振り返り、それらを線で結ぶように……という意味です」と、解説までされているのである(=下の画面)。

調べると「Connect the dots」は、2005年のスタンフォード大学卒業式の講演でジョブズ氏が語ったことであるらしい。が、私はこのジョブズ氏の講演も、そこで語られた言葉も知らなかった。もちろん、橘さんはスティーブ・ジョブズ氏の言葉を知っていたかもしれないし、影響を受けていた可能性もある。
しかし、一つ一つの経験を抽象化して点を表象し、その点と点を結んでいって線を表象することは、自分の感覚と言葉に敏感な人ならば、決して稀ではないだろうと思う。そのこと自体にバリエーションはあるとしても、それはスティーブ・ジョブズ氏とは何の関係もない。これでは、個々人の経験に基づくオリジナリティということが勝手に剥奪され、しかもそれとして吹聴されてしまう、と恐れをいだいた。これは多くの一例にすぎないであろうから。それがサイト名を見直し、より相応しい名にするきっかけになった。
そしてたった今、グーグルで「一日一言 点を結ぶ」と検索すると、AIの回答は表示されなくなっていた。代わりに、ありがたいことに(しかしなぜか)当サイトの名称変更・移転前のurl「pebble-path.jp」が検索結果の一番上にある! (なお、「pebble-path.jp」=「一日一言 点を結ぶ」では、現行の「about-sense.jp」=「〈意味〉を考える」にリダイレクトされます。)